最後にお便りしたのは、確か去年の初めだったと思います。その後、何事も無く過ごしております。去年の四月に、ほんの短い間東京に滞在しましたが、殆ど家内の方の用事で忙しく、何処にも行く時間がありませんでした。残念ながら、松涛、上馬、桜新町、尾山台、調布、日暮里、立川、国立、それから疎開先の山梨、その後に寄宿舎生活をした鎌倉など、懐かしいところは何処にもいけませんでした。誠に残念でした。今度は二人でゆっくりこれらの場所を回るつもりです。
ここ西豪州は、5月半ばを過ぎても雨が降らず、大変心配でしたが、月末になってやっと降り始めました。農家は作付けに滑り込みセーフといったところです。
70歳になりました。そうして、ますます松涛中学のころが懐かしくなっています。あの頃の渋谷の町を歩きたい。玉川電車に乗って、上馬、桜新町、そして二子玉川まで行ってみたい。そこで乗り換えて尾山台。ああ、そういえばもう玉川電車はないんですね。
最近、家内が近所の図書館から沢山の本を借りてきました。その中に、ハリーポッターと言う七巻からなる怪奇物語がありました。読んでみると、表面的には子度向けの物語を装いながら、何か私が人生で経験してきたことに符号する何かを暗示しているような気がして、繰り返し三度も読んでしまいました。これは私達のような、子供のころ寄宿舎の寮母さんに寝る前怪奇小説を読んでもらった世代だけにアピールするものと思っていましたが、聞くところによると、日本の子供にも翻訳で読まれているそうです。と言うことは、確かに歴史には周期があり、私達の子供のころから、それが今一巡したとも考えられます。そのほかの本はダビンチコードというのと、また、古い話ですが、シドニーシェルダンと言う人の大衆小説があります。これは読み出すとドキドキハラハラ、やめられなくなり、10冊も読んでしまいました。また、40年前に読んだスタインベック、ジョセフコンラッドなどの本を読み直しています。
以上のことから、確実に老いが始まっていることがわかります。
伊東宏
久しぶりの伊東さんの報告、楽しく読みました。最近のオーストラリアの近況報告も知りたいところです。日本では、新型インフルエンザ(正式名称:2009インフルエンザ)で大騒ぎしていましたが、オーストラリアはこれから冬ですから心配ですね。
返信削除木下恂(knuhs)